耳を澄ませば〜23区の片隅で

韓国のソウルでの野鳥観察を綴ったブログ「耳を澄ませば〜ソウルで野鳥観察」→日本へ戻ってきました。また身近な鳥たちとの出会いを記録したいと思います。

なぜ鳥が好きなんですか?という問いに

 

少しの間、日本(東京)に帰っていました。

僅かな時間でしたが、いつも鳥を見ていた近所の川辺で、鳥見の大先輩のOさんにも再会することができました。カワセミやクイナにも再会でき、嬉しいひと時でした。

 

〜〜〜

どうして鳥がそんなに好きなんですか?

 

と、聞かれることがあります。

その度に、「うーん、、、鳥だけが好きっていうわけではなくて、、、いや、鳥はもちろん大好きなんだけれども、、、モゴモゴ(汗)」・・・

語彙が無いのか、はたまた文才が無いのか、うまく理由が説明できなくて歯痒い思いをしていたのですが、先日読んでいた鳥に関するエッセイに、まさに「ああ!私が感じているのと同じだ!」という箇所があったので、著者様のご承諾も得て(倉津先生ありがとうございます)、ここに転載させていただきます😊 

 

 

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(日本帰国中に出会ったカワセミさん)

 

【鳥のいる風景】倉津和良 (2011年発行)アピアランス工房

〜カワセミの章より〜

(中略)

 ところで鳥好きな人は、このカワセミを見てからそうなったという人が多い。確かに惹きつけられる鳥だ。漢字では翡翠と書く。室町の頃から使われ、宝石の翡翠(ひすい)は、この鳥の名から付けられたという。何回見てもこの鳥が目の前を飛ぶと、おっという感じがある。

 その美しさから写真の被写体にもよくなる。いい写真を撮りたい人は様々な工夫をするようだ。ある人から聞いたことだがカワセミの場合、小魚集めから始めるという。川の浅瀬に鳥が止まりやすい枝を見つけ(あるいは自分で作り)、小さい池を作り、そこに小魚を放つ、そして近くに張った迷彩色のテントに入って鳥が来るのを待つ。七時間もテントの中で待った、という人もいた。そこまでしなければいい写真は撮れないのである。

 私の場合、写真は撮るが今のところそれほどの執着はない。いろいろな鳥を見てみたいというのが第一である。私の知人に車をキャンピングカーに改造して北海道から沖縄まで鳥を見て回っている人がいるが、うらやましい限りである。いつかそういう日が来ればと思う。が、今のままでも山の中、海辺にいると充分な幸福感がある。特に新緑の頃、誰もいない林の中を歩いていたりすると肺の中まで爽やかになる。そうした幸福感の源は家族や健康であったり、充分な時間があったりとさまざまな要因が絡んでいると思う。どれ一つ欠けても鳥を見るのだって面白く無いだろうなと思う。しかしもっともの根源はやはり自然である。樹や風や空や海やらの中にいるとどこか深く遠いところに運ばれていく気がする。それは少年時代から感じていた懐かしい感覚でもある。鳥を見るのはそこと繋がっている。もちろん珍しい鳥を撮ったりすることは興奮することだ。だが鳥を待ちながら自然を感じている時間こそが至福なのだと思う。

(以下略)

 

 

長く引用させていただきましたが、まさに最後の段落、心の底から共感しました。

鳥が好きなのは勿論ですが、決して鳥自体だけが好きなわけではなく、わたしは鳥を見る空間そのもの、鳥見という行為により触れる自然や、人、環境が好きなんだと思います。

吐く息も凍るような川辺の草むらで、枯れた植物にとまり、人間の目には映らないくらいの小さな小さな種を必死に啄む小鳥の姿をじっと見ていると、尊い命の営みが脈々とそこで続けられていることにハッとさせられます。生きる、という当たり前のようでいて困難な、そして健気で素晴らしい行為が、太古の昔から、こうしてそこかしこで続けられてきたことを実感させられます。その輪の中に自分もいるような感覚。

 

街を早足で歩いている時は、鳥はみな同じに見え、カラスか雀、ハトくらいしかいないように思っていました。でも立ち止まってみると、遥か遠くから海を渡ってきたり、小枝を集めて立派な巣を作ったり、雛のために休むまもなく食べ物を探し回ったり、美しい声で求愛したり、時には敵に襲われて命を落としたり、、、色々な鳥たちがそこには生きていました。こんな街中でも、鳥たちは自然の厳しさや美しさを見せてくれました。

 

うーん、やはり文才が無いせいで上手く纏められません(笑)が、その小さな小さな種で、凍る寒さの中、命を繋いでいるダルマエナガの姿を載せて今日は締めたいと思います。

 

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(枯れたアザミ?に止まるダルマエナガ)

 

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 (嘴を突っ込んで、、、)

 

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(小さな小さな種子を空に舞い上げながらの採餌。)

 


 

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